はじめまして.今シーズンから学生コーチを務めている人間社会学研究科博士課程前期2年の大嶋拓と申します.今回ブログを書く機会を頂いたので,総理大臣杯や日々の活動を通じて感じたことを綴ります.
まず,広大サッカー部に所属して驚いたことが2つあります.1つ目は,環境の良さです.人工芝のグラウンド,熱心なスタッフ,毎試合帯同してくださるトレーナーの方々,献身的なマネージャーなど地方国立大学とは思えないほどサッカーに向き合える環境が整っていると感じました.もちろん私立大学と比べれば恵まれているわけではありませんが,学部時代を別の地方国立大学で過ごした私にとって広大の環境は羨ましいです.選手たちには今の環境が当たり前だとは思わず,勉強や運営も忙しいとは思いますが日々サッカーに邁進してほしいです.
2つ目は,強さです.コーチになる前に初めてサッカー部の試合を観戦した際に,各選手の前所属を見て全国大会常連校やJユース出身の選手もいて驚きました.ただ,コーチになってからは上記の有名チーム出身ではない選手たちが彼らと対等に話し合う姿に広大サッカー部の強さを感じました.広大サッカー部の強さの秘訣は,間違いなく学年やカテゴリー関係なく意見を言い合える点です.常に自分たちで考えて修正して,1つのチームとして勝利を目指す闘い方は鹿屋体育大学や明治大学など全国の相手にも通用することを総理大臣杯で確信しました.
しかし,それでも明治大学には勝てませんでした.一時は逆転し,1点リードで後半を迎えましたが,最終スコアは2-4.なぜ勝てなかったのか,逆に明治大学はなぜあの状況でも勝てたのかを考えると,「執念」が一つの要因としてあるのでないかと思います.ベンチから見ていると,得点への執念,勝利への執念は明治大学の方が強いと感じました.チームを鼓舞する声であったり,シュートの意識や必ずリバウンドを狙う選手がいたり,前回のインカレ王者らしい抜け目ない闘いぶりだったと思います.
私は今シーズン,全カテゴリーに帯同しましたが,1点へのこだわりや勝ち点1に対するこだわりは広大サッカー部全体として足りない部分だと感じています.先日の新人戦の敗退にも大きく影響していた部分です.ベンチから「なぜシュートを打たない」,「なぜ身体を投げ出してシュートブロックにいかない」,「なぜゴール前に全力で走らない」と思うことは少なくありません.
広大サッカー部の選手たちは一人一人のIQが高く,冷静かつクレバーにプレーすることが多いです.これは絶対的な長所ですが,より多くの得点を取ったチームが勝つサッカーにおいて裏目に出ることもあります.特に,ゴール前の得失点に直結するプレーは意地と意地のぶつかり合いです.当たり前のことかもしれませんが,今一度日々の自分のプレーを振り返ってほしいです.どこかに甘えや気の緩みはないでしょうか.練習でできないことは試合ではできません.日頃の練習からそういった点にフォーカスできれば,より強いチームになれると思います.
「蹴念」は今シーズンのチームスローガンです.チームスローガン通り,鹿屋体育大学戦はまさに執念で掴んだ勝利だと思います.中国リーグでも執念で勝ち点を積み上げた試合が何試合もあると思います.それでも明治大学には勝てませんでした.この借りは同じ全国大会でしか返せません.より強い「蹴念」をインカレの舞台で見せましょう.私は帯同できませんが,チーム目標であるベスト4に進出できると信じています.
最後に,スポンサーであるアイグラン様をはじめ,OB・OGの皆様,保護者の皆様,日頃から弊部を応援してくださる皆様へこの場を借りて感謝申し上げます.今後とも広島大学体育会サッカー部を何卒よろしくお願いいたします.
また,選手をはじめ,マネージャー,スタッフの方々,広大サッカー部に縁もゆかりもない私を快く受け入れていただきありがとうございました.このような素敵なチームの一員になれたこと,指導者1年目から多くの経験をさせてもらえたこと,重ねてお礼申し上げます.