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「4年間の全てをダイアゴナルラン」(櫻井伶)

 こんにちは。

理学部物理学科4年の櫻井伶です。

今回のブログは、引退が近いこともあり、この4年間で感じたこと、そして同期である03のみんなへの感謝の思いを綴ろうと思う。

 

 

「焦り」

 入部直後からすぐにトップチームの練習に参加させてもらい、最初は中国リーグのベンチとIリーグのスタメンとして試合に出ていた。自分としては「いいスタートを切った」と思っていたが、そこから先の壁は想像以上に高く、気づけば3年経っても中国リーグでのスタメンや出場時間を増やすことができなかった。毎年全国大会に帯同させてもらっても、直前でベンチ入りメンバーからは外され、今年の夏の総理大臣杯ではベンチには入れても、出場時間は0分。そんな時、ふと視線の先には、かつて自分より下のカテゴリーにいた三崎(4年)や久保(4年)が活躍する姿があった。焦りや悔しさで胸がいっぱいになり、「自分は何をしているのだろう」と自問する日々が続いた。

 

 入学当初と比べて、自分のチームへの理解は格段に上がり、仲間の意図やチーム戦術にもフィットしてきたのに、肝心の試合には出られない。だんだんと焦りが募り、精神的にも苦しくなっていた。そんな中で気づいたのは、自分が与えられたチャンスをモノにできていなかったということ。どんなに練習でいいパフォーマンスを出しても、試合で「得点」や「アシスト」という結果が残せなければ意味がない。FWというポジションは、良くも悪くも数字が結果としてはっきりと現れる。その数字で答えなければ、チームにとっての存在意義が薄れてしまうのだと痛感した。

 

 それからは、練習に対する姿勢を見直し、一つ一つのプレーに対する意識を高め、さらに試合での結果に結びつくようにトレーニングの質を上げる工夫もしてきた。最近は、チームの主力の離脱者が増えたこともあって、ようやくスタメンや出場時間が増え、自分に求められていることが少しずつ果たせてきたと感じている。でも、まだまだ満足するわけにはいかない。これからもひたむきに、自分のすべきことを結果として示し、そして仲間と一緒にピッチに立ち続けるために、全力で進んでいきたいと思う。

 

 

「感謝」

 私が部活に入部したのは、みんながスタートを切ってから1年遅れの2年生の春だった。1年生のときもサッカー部に入ろうかと迷ったが、学業との両立を考え、一度は断念した。それでもサッカーがしたくて、2年生から入部を決意した。そんな自分を快く迎えてくれた03や、監督の上泉先生には心から感謝している。

 

 最初は、1年の間に築かれた仲間の輪にどうしても入り込めず、練習や試合、日常生活でも意思疎通がうまくいかない日が続いた。自分のことを話さないまま、勝手に壁をつくっていたのは私自身だったのだと今は思う。そんな私を、仲間たちは決して仲間外れにせず、ごはんや遊びにいつも誘ってくれた。

 

 少しずつ自己開示することができるようになり、サッカー以外の悩みや相談も話せるようになって、だんだん素の自分を出せるようになった。練習後に死にそうになりながら一緒に走ったこと、海外旅行に一緒に行ったこと、失恋して落ち込んだときに飲みに連れて行ってくれたこと、ちょっと大人な店にも一緒に遊びに行ったこと…そういう一つ一つが忘れられない思い出であり、私にとってかけがえのない宝物だ。

 

 だから、今ではピッチに立つときは「こいつらのために」と強い覚悟と蹴念を持ってプレーできている。

 

 

「インカレへの覚悟」

  この4年間、仲間の支えに救われ、焦りを糧にして自分を高めるために努力を続けてきた。そして、今こうして迎えるインカレは、私がサッカー人生で何を残せるのかを示す蹴大成だと思っている。このチームと共に勝利を目指し、一つでも多くの結果を残し、恩返しのつもりで全力で戦う。今まで支えてくれた仲間、スタッフの方々、そして応援してくださるすべての人に感謝を込めて、最後まで自分のベストを尽くそうと思う。

 

 

 最後にスポンサー様をはじめ広島大学サッカー部を日頃から応援してくださる皆様に心から感謝申し上げます。今後とも広島大学体育会サッカー部を宜しくお願いいたします。

 

  拙い文章ではありますが、最後まで読んでくださりありがとうございました。

 

 

 

櫻井伶