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「サッカーのない1年間」(藤山晴太)

 

 はじめまして、教育学部4年の藤山晴太です。4年生ですが、サッカー部として初めてブログを書くので「はじめまして」から始めました。というのも、2 年前の私はサッカー部を休部していました。タイトルを見て「?」と感じた人も少なくないと思います。そうです、休部していた期間のことです。今回のブログでは、休部からの復帰を経験した、珍しい部員として、自分にしか書けないようなことを書いていきます。

 

 私が休部したのは1年生の終わりです。休部の決断に至った理由は主に 2 つあります。けがとストレスです。1年生の頃に負ったけががなかなか回復せず、思うようにサッカーができない日々が続きました。もう1つの理由であるストレスは、前述のけがによるものでもありますが、その他にもコロナ禍での制限や集団内の立ち位置の変化によるものでした。当時、けがの完治と挑戦の数を増やすため休部すると言っていたが、これは言い訳に過ぎなかったと思います(特に後者)。本音ベースでは、一度部活 から解放されたいという思いがありました。小中高とチームの中心であるキャプテンをしてきた私は、全国レベルの選手がいる体育会でそれまでに経験したことのない立ち位置になり、大きな変化にうまく適応できなかったのです。これらの理由から、いつしか部活を辞めたいと考えるようになっていき、最終的には休部を選択しました。

 

 それから 1 年後、私はサッカー部のグラウンドで汗を流す日々を送っていました。1 年間の休部を経て 3 年生になると同時に部活に復帰したのです。復帰を決めた理由は、主に2つあります。1 つ目は、単純に大好きなサッカーをやりたい気持ちです。特に試合に出場し、勝利の瞬間を味わいたいという気持ちが大きくなっていました。2 つ目は、本気で物事に取り組みたいという気持ちです。休部中、全くサッカーをしていなかったわけではありません。サッカーサークルに行ってみたり、友人と公園でサッカーをしたりしていました。しかし、私が求めているものは違い、本気でサッカーに向き合いうまくなりたい、といった本当の気持ちに気づくことができました。正直なところ、復帰するか非常に悩み、親や友人にも頻繁に相談していました。約 1 年という長い間、部活のない生活をしていたら、誰でもその生活に慣れてしまいます。コンフォートゾーンから抜け出すこと、変化することを恐れていました。しかし、このまま堕落した生活を送り続けるのは良くない、大好きなサッカーを毎日していたいという思いのもと、最終的には復帰を決断しました。

 

 復帰から約 1 年半が経過した現在、サッカー部での活動を大いに楽しめており、復帰して本当に良かったと感じています。チーム全体で勝利を目指し、仲間と喜びを分かち合う瞬間がなによりも最高です。2 年連続全国大会出場するチームで素晴らしい仲間と素晴らしい時間を過ごすことができています。また、復帰という選択を自分の力で正解にすることができたと言えます。普段の練習だけでなく日常生活において、目的意識を持ち、行動してきました。その結果、大学での部活を通して、課題発見力や課題克服のために行動する力、コミュニケーション能力など、一人の人間として必要な力を身につけ、人として大きく成長することもできたと感じています。1 年生の初めは 4 軍にあたるチームでプレーしていた私も、3 年生の途中でトップチームに初めて昇格し、今季は広島大学 A として I リーグ全試合にスタメン出場することができました。また、総理大臣杯と中国リーグにも出場でき、飛躍したシーズンだったと振り返ります。これも、課題解決のための継続的な行動や、練習メニューを考えたり、オフザピッチでの役割を果たしたりなど、個人だけでなく、チームのことも考えるようになったことによる結果であると捉えています。

 

 今思うと、サッカー部を退部しなくてよかったと強く思います。部活に残るか退部するかのどちらかしか頭になかった私に休部という選択肢を与えてくださった当時の主将に感謝したいです。また、大学や街で会った時に「いつでも戻ってこいよ」と声をかけ続けてくれ、復帰後も暖かく迎え入れてくれた同級生にも感謝したいです。ありがとう!

 

 このような経験から私が伝えたいことは、物事に本気で取り組むことの大切さです。本気で取り組むことで、きっと結果も変わってきます。入部当初、トップチームとは無関係だろうと思っていた私も、最終的にトップチームでの試合に出場できるようになったのです。ぜひ本気で取り組めるものを大切にしてほしいです。夢中になっているときほど、感じられる幸せや喜び、感動は大きくなります。

 

 また、私がかつて考えていたように、いま現在、部活を辞めようと考えている人がいるかもしれませ ん。周りには物事に打ち込める環境があり、お互いを高め合える仲間がいます。夢中になれるものがあることはとても幸せなことです。もう一度だけ、本気で向き合い、取り組んでみてほしいです。

 

 最後に、私は広大サッカー部が好きです。より正確に言うと、好きになりました。より多くの人に広島大学体育会サッカー部を知ってもらい、ファン・サポーターが増えてほしいです。

 

 引退まで残り約 1 カ月ですが、感謝の気持ちを忘れずに、より成長した状態で全国大会にいってきます。

 

 まとまりのない文章でしたが、読んでいただきありがとうございました。

 

広島大学体育会サッカー部 4 年 藤山晴太