「人とチーム」 2022シーズン主将・石神海

2022シーズン広島大学体育会サッカー部の主将を務めさせていただきました、石神海と申します。所属は教育学部第二類自然系コースで、来年から大阪の高校生物の教員として働く予定です。

まず初めに、日頃より広島大学体育会サッカー部を支えてくださっている皆さまにこの場を借りて感謝申し上げます。保護者の皆さま、OBOGの皆さま、スタッフの皆さま、他大学の皆さま、他にも本当にたくさんの方々にサッカー部が支えられていることに感謝をし、部員一同はこれからもサッカー部での日々を大切に過ごしていきたいと思います。

スタッフの皆さま、広島大学体育会サッカー部の後輩のために自分の就活や研究の時間を割き、練習や試合に少しでも多く顔を出しながら、指導や応援をしてくださり、ありがとうございます。

上泉監督、広島大学体育会サッカー部のことを常に考えて様々な面で行動してくださり、ありがとうございます。目に見えない部分で全体への気配り・マネジメントで、チームを支える。豊富な人脈を活かして、強豪大学やJリーグのチームとの練習試合を組んでくださり、サッカー部内の基準を向上。大学の准教授という多忙な生活の中で、サッカー部の監督を引き受けてくださり、これら以外の様々な面でも、チームを支え、チームの発展にご助力いただきましたことを、この場を借りて、御礼申し上げます。

 

 

自分はこのブログを、今の後輩3世代、そしてこれから広島大学サッカー部に入部する未来の部員に向けて、「人とチーム」という題名のもと書きます。

01という世代や自分の想いなどから、少しでも読んでくださる人にヒントのあるようなブログになればいいなという思いで書きました。

非常に長くなり、まとまりのない文章ですが、最後まで読んでいただければ幸いです。(書いてたらほんまにめっちゃ長くなりました、ごめんなさい笑)

 

 

今シーズンは広島大学サッカー部25年分の夢である「インカレ全国出場」が叶ったシーズンでした。この1年間常に話続けてきた「チームのために」を全員で行った結果が最高の形で表れたと思います。

01の中では正直信じられないことが多いとよく話します。本気で全国出場を目指して、日々精進して来ましたが、いざそうなってみると実感は薄く、11月~12月は夢のような時間があっという間に過ぎていった感覚でした。

しかし、広島大学の歴史を切り開き、新たな世界が広がった年であるというのは大いに実感しています。周囲からの広島大学を見る目が変わり、自分達と全国との距離感を知り、全国出場は通過点となり、様々な面で広島大学サッカー部の変革の年の代としてサッカー部に所属できたことを誇りに思います。

僕ら01は字面通り広島大学の0から1を作り出した学年だと思います。(ここおもんないし、うまくもないんで見なかったことにしてください。)

 

 

そんな僕ら0112年生のころ上泉監督に、「谷底の世代」、「残留を目標に中国リーグを闘うようになると思え」と言われました。(今考えればそうやって正直に言ってもらえたことで、全員がまとまり本気で取り組めたのかなと思います。)

 じゃあ僕ら01には何があったのか。01の長所は大きく二つあります。一つ目は「仲間を大切にする力」、二つ目は「献身性」。こんなありきたりな長所ですが、これを全員が持っていたのは非常に大きなことでした。これら二つを合わせて「チームのために」というテーマのもと行動し続けてきました。

しかし、どちらの長所も最初から全員が持っていた訳ではありませんでした。練習や試合などのオンザピッチ、ご飯や旅行などのオフザピッチ、僕たちの代は人数が少ない分、これらすべての時間を「全員」で過ごしてきました。

全員で共に過ごした全ての時間が、個々の性格や考え方に良い影響を与え合い、「仲間を大切にする力」「献身性」という01の強みが出来上がったのだと思います。

また01の代になるまでの123年生時のどんな学年ミーティングでも、自分はみんなに「チームのために」を言い続けてきました。チームのために行動しよう、そしてチームのために行動している仲間に気づき、理解し、感謝し合える、応援し合えるチーム作りを行おう。仲間を大切に、本音で言い合える学年になりこの学年で良かったと思えるように行動しよう。そうすることで、仲間が好きになり、チームが好きになり、よりチームのために行動出来るようになる。など、ここらへんのことは今年だけでなく、自分が入学してからくどいほど01とは話続けてきました。

202110月、新チームが始まる前に、僕ら01は二つの目標を立てました。それは「全国出場」と「全員がチームを好きになる」というものです。そしてこれらの目標のもと「チームのために」というテーマを持ち、まず01が行動しようと決めました。

20211031日、前年度の先輩方が引退するときの新キャプテン挨拶の時に、「全国出場を目標に、01そして俺はチームのために行動し続けることを誓う、それについて来てほしい」という内容を全員の前で話し、ベクトルを合わせるようにしました。そこから僕らチームの「チームのために」がより本格的に始まったと思います。

 

 

202111月から新チームが始まり、「チームのために」という指針をもとに、チームが一体となり掴んだ全国への切符ですが、もがき苦しみ悩んだからこそ掴んだ全国大会でもあると思っています。

 

01としても色々悩んだし、話し合ったし、気持ちを共有したし、ほんまに「全国出場」するにはどうしたらいいか、全員がこのチームに好きになるには、入ってよかったと思えるチームにするにはどうすればいいのか何回も考え直しました。

01がしんどかったのはこの大所帯のチームを引っ張っていけるか、後輩はついてくるのかという点でした。01は入学当初からスーパーな選手はおらず、ほとんどが普通の進学校から来た平凡な選手ばかりでした。1年生からずっと出てる選手はいなくて、プレーや背中でほんまにこの大人数を引っ張っていけるのかこれが01にとって一番大きな課題でした。

じゃあどうしたか?それはどんなことも学年で力を合わせて全員で行うという単純なことでした。01の長所は「仲間を大切にする力」「献身性」と書きましたが、出ているカテゴリーや立場に関係なく、仲間を思いやり、チームのために全員が行動し続けました。

そうすることで、02030401さんのために闘いたい、01さんとサッカーを続けたいと話してくれ、自分達がやってきたことは間違いなかったと感じています。

 

また自分自身、今までのサッカー人生で一番苦しみ悩んだシーズンでもありました。自分が一番苦しんだこと、それは「自分が試合には出ていない」ということです。

正直ほんまにこんな俺について来てくれるんかな、周りの大学のキャプテンと比べてキャリアも実績も劣っているな、俺に出来ることってちっぽけやな、とかたくさんの負の感情がありました。自分のレベルが低いことを実感し、しょうもない怪我も続き、その怪我を言い訳にしていたり、キャプテンは俺で良かったんかなって思ったことも何回もあります。

「チームのために」このことを常に意識し、自分が一番行動して背中で示そうと考えて動いてきましたが、正直「チームのために」がしんどくなる時もありました。俺はだれのためにやってるんやろうとか、なんで俺がこれしなあかんねんとか、俺が色々やってること知らんのにわかってる感だすなよとか。

人のせい・環境のせいにしようとしたり、そうしようとしている自分に腹が立ち、自分の無力さにどうしようもない感情になったり、今までのサッカー人生で一番苦しみ悩んだシーズンでした。

 

 

そんな中、自分は一つの信念のもと動いてきました。

 

それは自分のために行動するよりも、人のため・組織のために行動した結果得られることの方が、自分の人生がより豊かになるということです。

 

今までも高校から大学にかけてこの信念を忘れずに、「すべてはチームのために」で取り組んできましたが、今年はより一層、広島大学サッカー部のために全力で行動し続けてきました。

(このことは自分が大学2年生の時に書いたブログの「チームのために」にも書いています。Google等で「広島大学サッカー部 石神海」と調べれば出ると思うので、もしよければ見てください!)

 

 

そうすることで得られたものが二つあります。

一つ目は心から信頼し合い、共にチームのために行動し続けたかけがえのない仲間です。

二つ目は、全国出場という夢のような結果です。

 

 本当に幸せな日々でした。間違いなく今までの人生で一番充実していた1年間になりました。広島大学に来て、サッカー部に入ってよかった。心からそう思えました。そして「チームのために」の行動は間違っていなかったということを改めて実感しました。

 

チーム全員が「チームのために」行動した結果、01としての目標である「全国出場」を達成しました。「全員がチームを好きになる」この目標はどうだったか正直わからないけど、シーズンが終わる直前の県リーグの試合後、同期の山田が「海の目指してる応援し合えるチームになったと思うで。どんなカテゴリーの試合でもたくさんの人が自分から応援に来てるねんから」と言ってくれたことがありました。

今までは、トップチームの応援に全員で行くということはありましたが、今年はIリーグ、県リーグ、などどんな試合でも応援に行く人が明らかに増えました。今まではコロナで観戦を控えなければいけないという関係もありますが、カテゴリーや学年関係なく全員が応援し合えるチームに近づいてきたのは確かだと感じています。

01はチーム、仲間が好きで、このチームのために頑張りたいと思えていました。みんなもそんな気持ちになってくれていたら、このチームに入ってよかったと思ってくれていたら、本当に嬉しいです。

 

 

結局何が言いたいねんて感じやけど、最後に、後輩、そして未来の広島大学サッカー部員に向けて書ければなと思います。

 

 

今まで1年間自分が言ってきたこと、そして自分の書いていることはすごく人として当たり前なことだと思います。けどそれを全部丁寧に行うってめっちゃ難しいことです。自分も出来ているかって言われたらまだまだです。自分は人として当たり前なことを当たり前に行える人になりたいし、みんなにもなってほしい。

人のことを大切にする、チームのことを大切にする、感謝を忘れない、間違いを認められる、謙虚な心を持つ、素直である、言い訳しない、何かのせいにしない、挨拶をする、礼儀を丁寧にする、遅刻しない、忘れ物しない、こんな小さい時に親や先生に何回も言われたことがずっとすごく重要なんだなと思います。結局、最終的には「人」です。当然ですが、人間的にもサッカー的にもレベルの高い人が多いチームが強いに決まっていると思います。

 

来年度からは全国出場は夢や大きな目標ではなく、より現実的な一つの通過点となり、さらにはもう一つ上のレベル「全国〇位」などを目標として日々を過ごしていかなくてはならないと思います。僕ら01が感じてきたプレッシャーとは違うものを感じることになると思います。

そんな中だからこそ、人を大切に、個性を大切に、違いを受け入れ、全員が心からチームのために、そしてこの仲間のために頑張りたいと思えるようチーム作りを常に行ってほしいです。そうすれば、チーム力が上がることはもちろん、絶対にこのサッカー部に入ってよかったと思うし、チームがもっと好きになると思うし、もっとこの魅力ある素晴らしいチームを知ってほしいと思うし、この部活に色んな人が入って幸せな日々を過ごしてほしいと思うし、そして最終的には絶対に結果にも繋がる。これらは心から約束します。

こういう想いが積み重なって、監督や2020年度キャプテンの衆さんがおっしゃる「チーム愛」に繋がると思います。

 

自分が最終的に伝えたかったのは、個人と組織との関り、もっと大きく言えば、タイトルにもあるように「人とチーム」。最終的には人がチームを作るし、そしてそのチームの雰囲気が人に良いも悪いも影響を及ぼすと思います。すごい大きな概念だし、追及の仕方は難しいけど、人として・チームとして当たり前なことを当たり前に丁寧に行い続けることが、「人格者」や「理想のチーム」に繋がっていくのかなと思います。

数年後にはサッカーの強さはもちろん、チーム作り、個々のサッカー選手の質、多方面から必要とされる人材の育成、地域との協力体制、全国から応援される組織、これらすべてを何段階もレベルアップさせ、周りから見本とされるような、「日本一の国立大学の体育会部活動」になれると信じています。

 僕ら01が作った0から1を何倍にも、何十倍にも掛け算していってください。(伏線回収ということで。)

 

 

020304

 

みんなほんまにありがとう。

01についてきてくれてありがとう。

僕たち01を好きでいてくれてありがとう。

みんなには何度も言ってるけど、全員で掴んだ全国。それは80人いるチームでも、一人のちょっとした行動が別の人に良い影響を与え、それが連鎖してチームの和が広がり、チーム力の向上に繋がるからです。

みんながいなければ本当に全国には立てなかったし、こんな最高のチームにもなっていなかった。今後のチーム、そして個人の活躍や働きを聞けるのを楽しみにしています。

 

 

01

 

出会ってくれてありがとう。

一緒にいてくれてありがとう。

こんな俺を支えてくれてありがとう。

特にラスト1か月は夢のような幸せな日々でした。ほんまに一生の付き合いになると思うけど、こんな日々をみんなと広島大学に来て過ごせたことを誇りに思います。間違いなく、今年僕らの代が、日本一変革を起こした国立の大学サッカー部です。

 

 

これからの広島大学体育会サッカー部の発展を楽しみにしています。また色々話してください。01一同心から応援しております。

 

非常に長く、拙い文章でしたが、読んでいただき誠にありがとうございます。

今後とも広島大学体育会サッカー部をよろしくお願いいたします。