H29 2020シーズン主将・佐々木衆

H29 2020シーズン主将・佐々木 衆

 

 2020シーズン広島大学体育会サッカー部の主将をしておりました、佐々木衆です。僕は現在、博士課程前期2年で、昨年度は広島工業大学高等学校と広大サッカー部でコーチを務め、今年度からは広島県瀬戸内高等学校で非常勤講師としてサッカー部のスタッフをしております。

 

 まずは25年ぶり全国大会出場おめでとうございます。

 

 1年の頃から広大サッカー部で全国に行くという目標をかかげ、強い想いを持って4年間過ごしましたが、最後のシーズンでの中国リーグでは一歩及ばず3位という結果となり、結局1度もその目標を成し遂げることはできませんでした。ですが、選手、コーチとして3年間ともに闘った01が最高学年となり、悲願の全国出場を叶えてくれたことを、自分のことのように嬉しく思います。

 

 僕ら29は、各々個性が強くまとまりがあった28さんと30の世代に挟まれていたことから、監督である上泉先生からは“谷間の世代”と言われていました。そんな29での最後のシーズンを振り返ると、楽しい思い出より間違いなく苦しい思い出の方が多い年でした。

 

 新型コロナウイルス感染拡大により、国全体が未曾有の事態に混乱し、当たり前のようにできていた部活動は、4月から約3ヶ月間の活動停止を余儀なくされました。活動再開後も大学の規制により全ての大会に参加することは認められず、何度も大学に頼み込みに行き、普通にサッカーが出来る状態を取り戻すのに多くの時間を費やしました。お世辞にも満足のいく部活動だったとは言えない1年でしたが、中国リーグでは3位という結果を残すことができたのは、多くの方の尽力や支えがあったからだと思います。その中でも、上泉先生は大学の准教授で多忙の中、無償でサッカー部の監督を引き受けてくださるだけでなく、今まで広大になかった新たな練習メソッドを海外から取り入れたり、対戦チームの戦術分析からその対策まで、本当にいつ寝ているのだろうかと思うぐらいサッカー部に時間を割いてくださいました。そのサッカー部に対する熱い情熱もさることながら、斬新な視点を併せ持つ先生は、間違いなく広大サッカー部に変革をもたらしてくれました。

 

 広島大学体育会サッカー部が25年ぶりの全国出場を果たした後輩たちに僕が伝えたいことは1つです。

 

 “広大サッカー部に所属していることに誇りを持ち、愛する”ということです。

 

 全国出場を決めることができたのは、広大サッカー部全員の功績です。現主将の石神が最初のミーティングで伝えた“チームのために”という言葉を形にすることができたのだと思います。しかし、全国大会出場がゴールではなく、新たな挑戦の始まりです。これから中国地方のチームは広大を倒そうと必死に戦ってくるでしょう。それに対して跳ね返せるだけの「チームとしての強さ」を持たなければ、真の強さとは言えません。そのため、この全国出場の経験をただの良い経験で終わらして欲しくはありません。

 

 

 

 この経験をどう来年、再来年に活かすか。

 

 本当に強いチームとは何か。

 

 勝つために他にできることはあるか。

 チームのためにできることはあるか。

 

 

 

 このように全員が思考を巡らし、本当に誇れるチームにするという意識を持つことが、広大サッカー部を愛することに繋がると僕は考えます。それはチーム全員であって学年は関係ありません。広大サッカー部の現役・OB問わず、これから先も関わってきた全員が誇れるチームであってほしいと僕は強く望みます。

 

 最後に今大会の躍進を祈念して僕からのメッセージとさせていただきます。